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シイタケ菌糸体は 《お母さん》 シイタケは生まれたての 《赤ん坊》 シイタケとシイタケ菌糸体とではどこが違うのでしょうか。 まずはシイタケが生成される過程から見ていきましょう。 シイタケは傘状ですが、その傘の裏側の部分に植物では種にあたる胞子が作られます。胞子は時期が来ると空中に飛び出し、漂った末、枯木に付着します。 このようにして棲家を見つけた胞子は、次に雨や木に含まれる水分によって成長し、発芽して単核菌糸を生み出します。単核菌糸だけではシイタケを作ることはできません。別の単核菌糸と結びついて、シイタケを生む資格のある二次菌糸、つまりシイタケ菌糸体に成長します。シイタケ菌糸体は木の中に寄生し繁殖を続けながら生息していきます。 シイタケ菌糸体は自分達を取り囲む環境が最適な状態にある期間はシイタケを作り出すことはしません。木の中にあって、安閑として生息しています。ところがそこに突然、気温が急激に変化するとか、日照りが続くなど、シイタケ菌糸体にとって、適さないような異変が起こると、シイタケ菌糸体は、自分達が死滅するかも知れないという危惧を感じ、子孫を残さなければならないと思い、急速にシイタケを生み出そうとします。その結果、目に見える形となって、シイタケが生えてくるのです。このような過程を経て、シイタケは生成されていきます。 この過程を見ると、シイタケが傘の裏に持つ胞子を飛ばしてシイタケ菌糸体を作ることから、シイタケの方が親でシイタケ菌糸体の方が子供のように誤解されがちですが、実はその反対です。 シイタケは、シイタケ菌糸体を母に持つ子供に過ぎないのです。人間に比喩すると、シイタケ菌糸体は妊婦で、生えてきたシイタケは生まれたての赤ん坊というふうに例えられます。 シイタケの傘の部分を、学術用語では、「子実体」と言い、名称からもシイタケが子供であることが分かります。
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